見えないものを見てみよう! コタンペッちゃクチャバーチャルツアー 谷本晃久先生の開拓前夜・開拓後

8/20(日)に北海道大学文学研究科、日本史学講座、アイヌ・先住民研究センター准教授の谷本晃久先生をお迎えして行われた「見えないものを見てみよう! コタンペッちゃクチャバーチャルツアー」

天候は晴れ! 円山公園はお散歩日和でした。

谷本先生の開拓前後のお話と、アイヌ文化アドバイザーのマユンキキさんのお話を交えながら、円山公園をお散歩しました。

札幌の「円山」という場所にスポットをあてているコタンペップロジェクト。

北海道開拓の歴史が始まる、今から約150年前。

1869年より円山一帯は、「石狩の国札幌群円山村」と呼ばれていました。

そしてそれ以前は、「西蝦夷地イシカリ場所シノロ領」と呼ばれていたそうです。

当時は、琴似川=シノロ川だったようです。

谷本先生は、歴史研究家の視点から、「いま」はもう見ることのできない「むかし」を考察し、そこから「みらい」を一緒に考えてみよう、そんなテーマでお話をしていただきました。

まずは「コタンペッ」とは何か?ということから。

コタン=村

ペッ(ベツ)=川

コタンペッという地名は、北海道に多く存在します。

例えば、石狩市厚田区古譚や苫前町古丹別など、いずれも海に近いところが多く、内陸はここだけなのだそうです。明治の初めの地図にはほとんど出てきません。

ペッというからには、川があるはず。

現在の琴似川が昔はシノロ(川)と呼ばれていました。

シノロ川(ことに川)上流は、今も円山公園を流れる円山川。アイヌ語でヨコウシペッ。

アイヌ地名研究の第一人者山田秀三という人によれば「獲物を狙う川」という意味があり、弓を構えて鹿を狙うとか、モリを構えて魚(サケ)を狙うという時代があったのではないかとのこと。

昔、石狩川の河口には、貿易港だったのだそうです。このヨコシペッを支流とするシノロ川(琴似川)は、大切な狩猟の場として機能しており、 鹿や鮭を採って、日本国内向けには、鹿の皮は武具や馬具に、鹿のツノは鹿角(漢方薬に)、サケやマスもよく売れ、お酒や服、針、刃物、高級な漆器などを買っていたという歴史があったそうです。

また江戸時代までは、国外向けに狐、テン、カワウソを狩り、中国(清)とルートはつながっていました。

(明治6年の地図)

しかし、アイヌの人たちの暮らしの根幹とも言える狩猟は次々と禁じらていきます。

この川沿いを(イウォル=狩り場)としてヨコする(獲物を捕る)権利を持つ、コトニ、フジト(フシコ)、バラト家など狩りを生業としていたアイヌの人々は、現在のあいの里を経て、旭川の近文地区などに移り住んで行ったといいます。

その後、皮肉なことに、開墾された円山周辺では、熊、狼、鹿、カラスが害獣とされ、ハンターには報奨金を出すという制度があったそうです。

時代は移り変わり、日本では1997年アイヌ文化振興法、2008年にアイヌ民族は正式に日本の先住民族として、国連に提出されました。

世界中の少数民族の文化を保護・復興させようという運動が、現在世界中で活性化しています。

アイヌ民族として認識されているのは、現在約2万人ほど。多くの人たちは、同じ日本人として、私たちとなんら変わらない暮らしをしています。

ほんの150年前までアイヌの人たちが行なっていた暮らしや文化は、世界的に見ても非常に価値のあるものとして、今、世界中の多くの人たちから注目されています。

(現在の札幌の地図)

最後に、結構有名なお話ですが、150年以上前は、山の名前も今とは違ったそうです。

三角山も含めて名前がコロコロ変わっていたようです。

円山=モイワ(モ:小さい、穏やかな イワ=岩 神聖な山、小さい霊山だった。札幌に住んでいたアイヌの信仰の山だった)

藻岩山=エカルシべ(遠くを眺めるところ)

三角山=マルヤマ(場所から見ると円く見えるらしい?)

なぜなのか、谷本さんのお考えはあるようですが、ここからは皆さんの想像力にお任せしたいとのこと…。

それにしても、本州には築150年・・・なんて家があったりしますが、札幌ができてからまだたった150年と思うとちょっと不思議な気持ちになります。

アイヌの歴史と北海道の歴史。いろんな人たちの想いがあってのいまなんだと思うと、普段なにげなく眺めている風景がちょっぴり特別なように思えてきます。

谷本さんの歴史のお話で開拓前夜に思いを馳せる円山散歩。とても充実した時間を過ごさせていただきました。

参加者のみなさんと!このあと、クチャ(仮小屋)がひろがるメイン会場で青空図書館を開催しながら、質問をしたり、おしゃべりをしたり、和やかな時間を過ごしました。

今回のイベントは、オオドオリ大学の協力で開催したプロジェクトでした。

素敵な機会を作っていただき、ありがとうございました!

さて、次回のイベントは、

「ひろがれコタンワークショップ#02 森で食ベる・話す・唄う」

9月10日(日)10:00~15:00

→詳細はこちら

当プロジェクトにおいてなくてはならない存在、マユンキキさんと、生きる植物辞典?!作田 悟(アイヌ植物ツアーガイド)アイヌのお二人に案内していただいて、植物にスポットを当てたツアーを開催します。

どんなツアーになるのでしょう・・・きっとディープな植物の世界を垣間見れるはず。

お楽しみに!


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